まずは当診断の概要を簡単に解説させて頂きます。診断前にご一読ください。自己肯定感・他者肯定感とは、「ありのままの自分・相手を肯定する感覚」のことです。この両方をバランスよく持っておくことはとても大事です。
というお悩みを抱えがちです。他人に対して否定的になると「人と接しても楽しくない」という気持ちのままコミュニケーションをすることになります。こういった状態では会話も楽しむことができませんし、相手に興味を持つことが難しくなります。
診断結果には、総合的な診断と、個別の診断を解説させて頂きました。それぞれ長所と対策も掲載させて頂いています。是非活かしてみてください。
尺度を作成するにあたって、自己肯定感に関する先行研究を調査しました。近接概念である「自尊心」まで含めると、吉森(2015)[1]による大学生版自己肯定感尺度、櫻井(2000)[2]によるローゼンバーグ自尊心尺度など、豊富に存在しました。
一方で、他者肯定感について直接調査をした研究はみられませんでした。そこで、対人不安、他者指向性、アサーティブネスなど近接概念の尺度を参考に作成することとしました。
測定項目について、公認心理師、臨床心理士、心理学の大学院を卒業したものが中心となり、ブレーンストーミングを行いました。その後KJ法により、グルーピングを行い、検討を加えたうえで質問項目を精査しました。最終的には、自己肯定感に関する質問を10問、他者肯定感に関する質問を10問作成しました。
- 【自己肯定感】
- ・未来への希望
- 自分の未来は明るいと思う
- 自分の人生はどうにかなると思う
- ・長所の把握
- 自分の長所を複数言える
- 自分の考えには価値がある
- ・過去受容
- 自分はこれまでよくやってきたと思う
- 過去の失敗を受け入れている
- ・アイデンティティの確立
- 目標に向かって充実した日々である
- 自分は社会に必要とされていると思う
- ・基本的信頼感
- 自分は愛されて育てられたと思う
- 今周りから愛されていると思う
- 【他者肯定感】
- ・価値の発見
- 他人の長所を発見できる
- 尊敬できる人が多い
- ・対人不安の少なさ
- 人と話すときに不安は少ない
- 警戒心はないほうだ
- ・失敗への寛容さ
- 相手の失敗に寛容である
- 他人のミスをフォローする
- ・嫉妬心のなさ
- 他人の成功を素直に喜べる
- 自分と他人を比較しないほうだ
- ・他者肯定行動
- 人を褒めることが多い
- 悪口を言うことは少ない
当尺度では、以下の9のタイプを設定しています。タイトルについては協議の上決定しました。
自己肯定・他者肯定 人格者型
自己肯定・他者普通 幸福型
自己肯定・他者否定 唯我独尊型
自己普通・他者肯定 謙虚型
自己普通・他者普通 バランス型
自己普通・他者否定 警戒型
自己否定・他者肯定 従属型
自己否定・他者普通 自責型
自己否定・他者否定 閉鎖哲学型
評価について、それぞれ長所と改善策、おすすめのコラムなどを紹介しました。
診断結果について、それぞれのタイプごとに特徴や注意点を1,000文字前後で評価しました。文章については、先行研究や作成者の臨床経験を基に作成しました。
当診断は因子構造及び信頼性・妥当性をチェックしたものではありません。あくまで専門家としての検討を加えたものです。統計的な根拠が希薄で、研究に耐えられるレベルの尺度ではないことをご了承ください。
[1]大学生版自己肯定感尺度の作成 国際経営・文化研究 vol.19 March 2015 吉森 丹衣子
[2]櫻井茂男(2000)Rosenberg 自尊感情尺度日本語版の検討 筑波大学発達臨床心理学研究 12 65-71
*その他の参考文献
小、中、高校生の自己肯定感に関する研究 東京女子体育大学 ・東京女体育短期大学紀要 第 42 号 2007 久芳 美惠子 齊藤 真沙美 小林 正幸
河越麻佑・岡田みゆき(2015) 大学生の自己肯定感に及ぼす原因 日本家政学会誌 66(5)222~233
水島広子(2015)自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法 大和出版
中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 細田絢, 田嶌誠一 - 教育心理学研究,女性の新卒看護師のアサーティブネス尺度の開発 鈴木英子, 髙山裕子, 丸山昭子, 吾妻知美 日本看護科学 2017